〜健康空間の要因は 温度と湿度のバランス〜
湿度と免疫力
人体は体重比で60〜70%が水分です。人体の保湿は免疫力の維持など健康に大きな役割を担っています。
人は毎日20,000〜28,000回(1呼吸に4秒程度)ほど呼吸をします。呼吸の度に乾燥した空気を吸う場合と
適度な湿度の空気を吸うのでは健康に大きな違いがあります。
鼻やのどには口腔粘膜や繊毛活動という機能 があり、インフルエンザや風邪のウイルスを捕まえて
体内への侵入を防いでいます。しかし、湿度が40%を下回るとその活動は弱まります。
30%以下の過乾燥状態では顕著に弱まり、免疫力は大幅に低下してしまいます。
一方、インフルエンザウイルスは湿度が40%以下になると活性化が始まります。
30%を切る過乾燥ではさらに活性化していきます。
過乾燥がもたらす人体(免疫力)とウイルスの力関係の逆転が、
冬場にインフルエンザの流行をもたらす最大の原因です。
過乾燥がもたらす健康被害はこのほかにも、乾燥肌やアトピー、膠原病、
風邪、ドライアイ、喘息
などさまざまなものがあげられます。
温度と免疫力
体温が下がると免疫力が低下することは、よくご存知のことと思います。 体温が1度下がると、免疫力は30〜40%低下すると言われています。 しかし、なぜ体温が下がると免疫力が低下するのでしょうか。
- 1.血液中の赤血球や白血球そしてリンパ球などは、血液に運ばれて、体内を巡ります。
- 2.心臓から出た動脈は、太さによって大動脈そして細動脈、最後に毛細血管と呼ばれるものになります。 心臓に戻る時はその逆で、毛細血管⇒細静脈⇒大静脈となります。
- 3.大動脈、細動脈、細静脈、大静脈の血管の壁には孔が開いていませんが、 毛細血管だけは白血球やリンパ球が出入りできる大きさの孔が開いています。
心臓から動脈を通って運ばれたリンパ球は、毛細血管から血管外に出て(遊走)、
各細胞に入り込みます。
そこでウイルスや病原体を退治したり、異物を除去したりしていきます。(免疫機能)
ところが、体温が下がると先述の自律神経による作用で毛細血管が収縮し、
遊走するリンパ球が少なくなってしまいます。つまり免疫力が低下してしまいます。
血流が悪くなると免疫力が落ちると言われるゆえんです。
このようなことから一般に暖房の場合には20℃程度の確保が望ましいと言われています。