人体への湿度の影響
人体は60〜70%が水分
人体は体重比で60〜70%が水分です。いうなれば人体は水の化合物です。接する空気の湿度や温度は健康に密接な関係があります。
特に湿度は感染症に対する免疫力との関係で極めて大きな関係があります。 適度な湿度を維持していれば本来の免疫力でウイルスや細菌の侵入を防いだり、除去したりして発症を予防します。 しかしもし乾燥が進むと免疫力は衰えて、インフルエンザや風邪の発症などさまざまな健康被害が発生してしまいます。
人体の構成成分(体重比) | |
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水 分: | 60〜70% |
タンパク質: | 15〜20% |
脂 質: | 13〜20% |
ミネラル: | 5〜6% |
糖 質: | 1% |
呼吸器粘膜と繊毛活動による免疫力
主に呼吸や食事により、口、鼻を通して外部からウイルスや細菌が侵入します。 それ以外にも、保菌者が触ったものを手で触ってしまい、その手で自分の口や鼻を触ることでも感染します。 つまり、体内へのウイルスや菌などの侵入は日常茶飯事に起きています。
しかし、そのまま体内への侵入を許さずに防御するのが、のどや鼻などの呼吸器に備わっている粘膜と繊毛です。
右にイラストでイメージを表していますが、気道に入った異物を粘液で捉え、 その下にある繊毛が1分間に約0.5〜1センチメートルの速さで外へ向かって異物を移動していきます。
こうして、インフルエンザや風邪を中心とする感染症の発症を予防しているのです。繊毛活動はとても重要な免疫活動です。
乾燥した空気はのど・鼻の免疫機能を傷め続ける
大人は1日に20,000〜28,000回ほど呼吸します。(3〜4秒に1回)
幼児は1日に30,000〜40,000回ほど呼吸します。(2〜3秒に1回)
乾燥した空気は、呼吸のたびにのどや鼻などの呼吸器粘膜や繊毛を痛め続けます。
(1) | 呼吸器粘膜の機能低下 |
⇒ 鼻や喉で、細菌や異物を遮断する働きが低下する。 | |
(2) | 繊毛活動の活動低下 |
⇒ ウイルスやほこりなどを体外に追い出す働きが低下する。 |
繊毛は、ビッシリと地表面を覆い、風にそよぐ草原のようなイメージです。
乾燥すると活動が弱まる |
湿度とインフルエンザウイルス
この図はインフルエンザウイルスの生存率を温度別、相対湿度別に示したものです。 22℃の場合、湿度20%での生存率は50%や80%に比べてとても高くなります。 また、低温ではやはりウイルスの生存率が高いのがわかります。
インフルエンザウイ ルスと湿度の関係については、これ以外にも報告がありますが、 いずれも湿度が高いほどウイルスの生存率が低くなる、という結果がでています。
このようなことから、温度20℃以上、湿度40%以上が望ましい環境と言われています。
※「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」 (通称:建築物衛生法)では、 相対湿度の基準値は「40%以上70%以下」 と定められています。