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Q1 サーマ・スラブTMはどんな暖房システムですか? | ||||||||||||||||||
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A 電気式ヒーターパネルを使って地中から暖める暖房システムです。 |
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Q2 電気式だとランニング・コスト(電気代)が高いのでは? | ||||||||||||||||||
A いいえ。「サーマ・スラブTM」は深夜電力を利用するので電気代は非常に安く済みます。 ちなみに深夜電力は昼間の電気代の約3分の1です。 |
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Q3 どうして深夜電力だけで24時間暖房できるのですか? | ||||||||||||||||||
A 建物の地下土壌に蓄熱層を自然形成し、床からの輻射熱で暖房します。 この蓄熱層の容量が非常に大きいので深夜電力だけで24時間暖房が可能なのです。 |
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Q4 「サーマ・スラブTM」が他の蓄熱式床暖房と比べてイニシャル・コストが安いのはなぜですか? | ||||||||||||||||||
A 使用する「蓄熱材」が大きく違うからです。 他社は高価な人工蓄熱材などを使用していますが、「サーマ・スラブTM」は自然の土壌を蓄熱材としてそのまま利用しています。つまり「サーマ・スラブTM」の場合、蓄熱材のコストは実質ゼロです。 また、施工も驚くほど簡単です。(施工手順のページをご覧下さい。) |
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Q5 なぜ今まで「サーマ・スラブTM」のような土壌蓄熱式暖房がなかったのですか? | ||||||||||||||||||
A 今まで、地中へ放熱された熱はそのまま地下深く逃げてしまうと考えられていました。しかし実際には熱は逃げ切らずに地下2m程度の深さで留まり、天然の蓄熱層を形成します。
地球はもともと熱球で地中には地熱があります。 このため冬は地中温度が地表面温度より高い状態になっており、深くなればなるほど温度は高くなります。地中へ放出された熱は均衡する地中温度域で移動が止まり結果的に自然の蓄熱層を形成するのです。この現象に今まで誰も気がつきませんでした。 そしてこの発見が弊社の特許なのです。 |
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Q6 土の蓄熱力は? | ||||||||||||||||||
A 土壌は優秀な蓄熱材です。土壌の蓄熱力は容積比熱で表示されます。土質や含水率で違いがありますが、水分が多い方が容積比熱は大きくなります(=蓄熱力は大きくなります。) 一般に、 水分の多い飽和土壌では約900kcal/m3 ・℃、 一方乾燥土壌では約300kcal/m3・℃ と言われます。ちなみにコンクリートは 約450kcal/m3 ・℃です。 「サーマ・スラブTM」では建物の地下部分約2mまでの土壌を巨大な天然蓄熱層にするので、条件の悪い土壌でも充分に2日分以上のカロリーを保持します。 30cm程度のコンクリートに蓄熱する場合とは比較にならないほどの大きな蓄熱カロリーです。 また、土壌蓄熱の最大の特長は「長期蓄熱」が可能であることです。 一般の蓄熱材(剤)はその蓄熱時間は短く、概ね16時間程度に限定されます。 つまり夜間に貯めた熱は翌日夜までにはほぼ使い切って(放熱しきって)しまい、また夜間に貯めるという1日サイクルの熱収支となります。これを秋から春まで毎日繰り返す訳です。 欠点は朝、昼、夜の温度ムラが出やすく、また必要以上に日中に放熱してしまう『放熱のムダ』が生じてしまうことです。容積の限られた蓄熱材に必要カロリーを保持させるために比較的高温で蓄熱することも放熱時間を早める一因となります。 一方、土壌蓄熱は3ヶ月以上に渡る長期蓄熱が可能ですから秋から翌春にかけてのシーズンサイクルの熱収支が可能となります。メリットは放熱のムダが少ないことです。夜間に貯めた熱は必要なければ地中に蓄えられたまま放熱されることはありません。 いずれ春までに暖房用に放熱されれば良いのです。このように低温かつ大容量の長期蓄熱はムダな放熱の少ない(=放熱効率の高い)蓄熱方法と言えます。
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Q7 北海道などの寒冷地でも使用できますか? | ||||||||||||||||||
A はい。何ら問題はありません。旭川や帯広でもその効果は実証されています。主暖房として使用され基本的に1階部分には他の補助暖房は必要ないほどです。(建物仕様等により例外はあります。) | ||||||||||||||||||
Q8 イニシャル・コスト、ランニング・コストが安いほかに特徴は何がありますか? | ||||||||||||||||||
A たくさん特徴があります。列挙します。
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Q9 温度のバリアフリーとは何ですか? | ||||||||||||||||||
A 昨今、バリアフリーという言葉をよく耳にします。特に高齢化社会を迎えるにあたって、「高齢者対応型住宅」や「健康住宅」といった表現がたくさん使われるようになりましたが、主に「段差がない」、「階段がスロープになっている」などハード面でのバリアフリーに着目されているのが現状です。 しかし、実はバリアフリーのモデルの一つであるスウェーデンをはじめ欧米で最も重要とされているのが「温度のバリアフリー」です。洗面・廊下・トイレなど建物内の温度を24時間できるだけ均一にしてヒートショックを抑制することが健康的な生活環境として不可欠との認識です。 日本では今やヒートショックに関わる死亡者数は年間2万人を超えるとも言われています。つまり、交通事故による死亡者数の2倍以上がヒートショックによって自宅で亡くなっていることになります。しかも高齢化社会を迎え、今後この数字はますます増加していくことでしょう。 夜中にトイレに立ったり、早朝に洗面に向かうことが精神的にも肉体的にも負担のない生活環境こそが健康的と言えます。冬の朝、布団から出るのに決心のいる住宅は時代遅れです。 「サーマ・スラブTM」は秋から春まで24時間継続して全体輻射を続けるシステムです。局所暖房や間欠運転では実現できない、一度味わったらもう他では満足できない、体にやさしい住環境です。 |
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Q10 「暖房」と「快適性」について教えてください。 | ||||||||||||||||||
*これは、サーマ・スラブTM(=全体輻射暖房)を理解するには非常に大切なポイントです。A 必ずしも暖房イコール快適ではありません。例えば人体に直接的に熱を与えるストーブやエアコンなどは「暖かい」と感じても必ずしも「快適」であるとは限りません。少し詳しく説明します。 もともと人間はご飯を食べて熱を出す『発熱体』です。ここが大切なポイントです。恒温動物は自然の営みとして 食物を食べる→体内で発熱する→体外に熱放出する(体温調節)→ご飯を食べる→体内で発熱する…….. を繰り返しています。 つまり本来人間は、熱はもらうのではなく体外に放出しなくてはならないのです。この熱放出により体温を適温に保っています。 ・人体からの熱放出が多い時 … (感覚として)寒く感じる ・人体からの熱放出が少ない時 … (感覚として)暑く感じる ここで今までの暖房をベースに冬を考えます。 [今までの暖房] 食物を食べる→体内で発熱する→熱を取られ過ぎる⇒(寒い)→ 外部から熱をもらう(採暖)→食物を食べる→…… というように1つ余分な作業として暖房(採暖)が加わります。 つまり、熱を取られすぎたので外部から強制的に熱をもらうというものでした。ストーブやコタツはその代表格です。「寒い家」には強制暖房(採暖)器具が必要となります。 [理想的な環境] ここで本来の人体の熱循環をベースに理想的な環境を考えると、食物を食べる→体内で発熱する→適度に熱を取られる⇒寒くない→食物を食べる……という「採暖」のないシンプルなサイクルになります。 「適度な熱放出」を続ける限り、人間は「寒さ」を感じることがないので採暖は必要ありません。つまり人体にわざわざ熱を与える必要はないのです。 このように人体に直接熱を与えるのではなく、周囲の固体温度を調節して、結果的に人体の熱損失をコントロールすることが「サーマ・スラブTM」のめざす『全体輻射暖房』なのです。 繰り返しますが、 常に『寒くない家(建物)』にしておけば採暖器具は必要ないのです。「サーマ・スラブTM」はこの『寒くない家(建物)』づくりのための装置なのです。 具体的には、地中に貯めた熱が床面を通して天井・壁などに放射(輻射)され、それぞれの固体表面温度を一定に保ち人体からの放熱を適量にコントロールします。この『寒くない環境』を秋から春まで継続して維持するわけです。≪人体は発熱体≫ (1) 寒い家 ⇒ 人体からの熱放出が大きい ⇒ 寒い ⇒ 強制暖房(採暖) ≠ 快適 (2) サーマ・スラブTMの家 ⇒ 人体から適度な熱放出 ⇒ 強制暖房(採暖)不要 = 快適 * (1)では直接人体を暖め(直接暖房) (2)は人体ではなく周囲固体を暖める(間接暖房)。 |
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Q11 一般の床暖房と違う点は? | ||||||||||||||||||
A 今までの床暖房は単に「床面を暖める」装置としての使われ方が一般的です。いわゆる「輻射熱」というより直接足で熱を感じる「伝導熱」を主とする伝熱暖房です。局所暖房や間欠暖房では周囲の固体温度を22℃程度に維持することができないので、直接的に伝導熱で足から温感を与えるしかないからです。 一方、「サーマ・スラブTM」は土中の蓄熱層から床面を通して建物の内部全体に輻射(放射)される熱で天井・壁・机などすべての固体の表面温度を常に一定に維持する立体的な全体輻射暖房です。おおよその目安として室内の表面温度が22℃程度であれば(この時、室温で20℃前後)人間は決して寒くはありません。メカニズムは前述の通りです。
このようにサーマ・スラブTMは一般の床暖房とは大きく違います。 便宜上「床暖房」と言っていますが、本来ならば「全体輻射暖房」と言うべきなのかも知れません。 |
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Q12 利用できるのは1階部分だけですか? | ||||||||||||||||||
A 土壌の蓄熱をそのまま床からの輻射で利用するので、1階部分を暖房の対象としますが、1階床からの輻射熱が2階にも伝わって2階部分もある程度暖められます。関東の平野部などでは1・2階ともサーマ・スラブTMだけで暖房している物件もあります。 | ||||||||||||||||||
Q13 土質によって違いがありますか? | ||||||||||||||||||
A 土質によるパフォーマンスの違いはありません。あらゆる土質でも「サーマ・スラブTM」は利用できます。 | ||||||||||||||||||
Q14 耐久性は? | ||||||||||||||||||
A 使用するヒーターパネルの耐久性は半永久的です。モーターなどの駆動部分もなく単純な発熱構造です。ヒーター線の被覆は一般的なシリコンではなくさらに耐化学性(耐腐食性)に優れるフッ素系樹脂を使用して、より耐久性を確保しています。 | ||||||||||||||||||
Q15 短所を教えてください。 | ||||||||||||||||||
A (1)土壌内に埋設するので修理が難しいことです。 技術的には修復可能ですが、工事に手間がかかります。そのため、耐久性を追求したヒーターパネルを使用するとともに、各パネルを並列に結線して、万が一あるパネルが断線しても他のパネルには通電して暖房効果には影響ないように施工面で工夫しています。もちろん工事の際には工程毎にテスト(導通チエック、絶縁チェックなど)を行い施工に問題がないかを確認しています。古いもので10年超経ちますが断線事故の報告はありません。 (2)短時間での温度調整ができないことです。 これは蓄熱式の宿命です。ただ「サーマ・スラブTM」の場合にはもともと大容量の蓄熱層に2~2.5日分程度の熱カロリーを保持していますので外気温が予想以上に低下しても熱供給余力は豊富です。逆に日中に外気温が急上昇の場合でも、やはり大容量蓄熱層に比較的低温で熱保持していますのでもともと放熱もゆるやかな為、室内温度の過剰な上昇は抑制されます。つまり外気温の変化に対して室内温度は比較的安定しています。 |
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Q16 地震や洪水での影響は? | ||||||||||||||||||
A 地震によるパネル内のヒーター線の断線はほとんど考えられません。そこまでの地震であれば地上の構造物は極めて大きなダメージ(崩壊など)を受けているでしょう。洪水による浸水も全く影響はありません。もともと土中には水分は豊富に含まれている前提で施工しています。 | ||||||||||||||||||
Q17 一般的な操作方法は? | ||||||||||||||||||
A 通常、秋にシステムのスイッチをONにし、希望の床(スラブ)温度をセットします。後は翌年の春までそのまま装置に触る必要はありません。そして春にスイッチをOFFにするだけです。毎晩必要な熱量分だけを深夜電力で自動的に補給しながら24時間暖房を続けます。 |